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スマートウォッチで「心房細動の可能性」と通知が来たらどうする?

2026.10.18

Apple Watchなどのスマートウォッチには、脈の乱れを検知して「心房細動の可能性があります」と通知する機能があります。最近、この通知をきっかけに受診される方が増えてきました。「機械の間違いかもしれないし……」と迷う方も多いのですが、結論からお伝えすると、通知が来たら一度受診して確認する価値は十分にあります。

心房細動とは?なぜ放置してはいけないのか

心房細動は、心臓の上の部屋(心房)が細かく震えるように動いてしまう不整脈です。それ自体で直ちに命に関わることは少ないのですが、心房の中で血液がよどんで血のかたまり(血栓)ができやすくなり、それが脳に飛ぶと重症の脳梗塞を起こします。心房細動は加齢とともに増え、高血圧や飲酒、睡眠時無呼吸症候群のある方に起こりやすいことが分かっています。厄介なことに、自覚症状がまったくない方も少なくありません。

スマートウォッチの通知は「疑い」のサイン

スマートウォッチの検知機能は医療機器の心電図と同等ではなく、通知だけで診断が確定するわけではありません。誤検知もあります。しかし、「無症状の心房細動に気づくきっかけ」としては非常に有用で、実際に通知から診断につながるケースは報告されています。通知を受け取ったら、記録されたデータ(心電図アプリの波形など)を消さずに保存し、受診時にお見せください。

受診したら何をするの?

当院では、まず心電図で現在の脈の状態を確認します。心房細動は「出たり消えたり」を繰り返すことが多いため、受診時に正常でも、24時間ホルター心電図で日常生活中の脈を記録して確認します。心房細動と診断された場合は、年齢や持病から脳梗塞のリスクを評価し、必要な方には血栓を防ぐお薬による予防治療を行います。カテーテル治療が適していると判断される場合は、連携する専門医療機関へご紹介し、その後の管理は当院で継続します。

まとめ

スマートウォッチの通知は「診断」ではなく「受診のきっかけ」です。ただ、そのきっかけが脳梗塞の予防につながるなら、活かさない手はありません。通知が来た方、ご家族のスマートウォッチで指摘された方は、データをお持ちのうえお気軽にご相談ください。

心房細動の治療は進歩しています

「心房細動と診断されたら怖い」と感じるかもしれませんが、治療は大きく進歩しています。脳梗塞の予防には血栓を防ぐお薬(抗凝固薬)があり、リスクに応じて適切に使えば、脳梗塞の危険を大幅に減らせます。また、カテーテルアブレーションという根治を目指す治療も普及しており、適応があれば連携する専門医療機関へご紹介します。大切なのは、早く見つけるほど選択肢が多いということ。スマートウォッチの通知は、その入口として十分に価値があります。

よくあるご質問

Q. 通知は1回だけです。様子を見てもよいですか? A. 1回でも受診する価値があります。心房細動は「出たり消えたり」を繰り返す病気で、通知が1回だったことは「軽い」ことを意味しません。記録されたデータを保存して、お持ちください。仮に問題がなければ、それを確認できること自体に価値があります。

Q. 通知は来ていませんが、自分で脈の乱れを感じます。 A. スマートウォッチの検知機能は万能ではなく、見逃しもあります。ご自身で症状を感じるなら、通知の有無にかかわらず受診をおすすめします。逆に、症状がなくても通知が繰り返される場合も要注意です。どちらの場合も、心電図とホルター心電図で確認できます。

Q. 家族のスマートウォッチに通知が出た場合も、相談できますか? A. もちろんです。ご本人が「大したことない」と受診を渋るケースは少なくありませんが、心房細動の早期発見は脳梗塞の予防に直結します。記録データを保存のうえ、ぜひご一緒にお越しください。


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監修:中里医院 院長(日本循環器学会認定 循環器専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医)

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